紀久屋スタッフブログ
2024年02月25日
着物には見た目の美しさに加えて、多数の繊細な技術が使われていることで知られています。
産地によってそれぞれ土地の特徴に合わせた着物が作り出されてきました。
数えきれないほどたくさんの着物の中から、一際注目されている着物があります。
それが、人間国宝によって作り出された着物です。
今回のブログでは人間国宝とは何か、どんな技法が使われているのかなどを深掘りしていきます。
・人間国宝とは?
・人数はどれくらい?
・北村武資(きたむらたけし)
・福田貴重(ふくだきじゅう)
・人間国宝の着物が集まる、おかげさま展
☆★無料着付け教室ご予約はこちら★☆
まず人間国宝を簡単に言うと、「重要無形文化財の技を持っている人」です。
日本では演劇や伝統工芸など様々な文化がありますが、それらには形があるわけではありません。
例えば伝統工芸品の本体が重要無形文化財に指定されたのではなく、
伝統工芸品を作る技術が重要無形文化財として指定されたのです。
無形という文字の通り、技には形が無いからです。
よって、重要無形文化財の技を持っている人が人間国宝に指定される、ということになります。
↓ 以前のブログでは重要無形文化財について解説していますので、こちらをご覧ください。
重要無形文化財の着物とは
人間国宝は芸能の部と伝統工芸の部に分かれています。
2023年時点で公表されている人間国宝の人数は合わせて109人だそうです。
古い歴史の中で109人しか認定されていないというのはとても希少だと言えます。
芸能の部では歌舞伎や能、または箏曲などの音楽といった分野があります。
伝統工芸の部では着物の染織技術、漆芸、和紙などが認定されています。
どれも日本人として誇らしい伝統技術ですね。
着物の染織部門では36名の職人が人間国宝に認定されています。
その中から2名の方の作品を、おかげさま展で展示することが決まりました...!
こちらでは2名の職人についてご紹介します。
北村武資さんは1995年に羅の技術で初めて人間国宝に認定されました。
さらに2000年に経錦の技術でも認定されています。
北村武資さんは京都西陣で製織業として働いていましたが5年後に退職し、西陣で着物の技術を独自で修行するようになりました。
その後中国で発見された古代の織の技法、羅を目の前で見て自分で制作することに挑戦しました。
普通の織り方であれば、経糸と緯糸はお互い直角にまっすぐ織り進められていきます。
ですが羅は経糸と緯糸が細かく網目状になるように織られています。
その結果通気性がよくなり、夏の着物や帯として使われるようになりました。
綺麗な網目状になるように織るという繊細な技術が認められ、人間国宝に認定されました。
また、羅の技術を進化させた経錦の技術でも認定されました。
緯糸に色を染めて柄を作る織り方が一般的でしたが、経錦は経糸で柄を作り出す技法です。
とても細い糸をたくさん使用するため、織り上がるのにも相当な時間がかかります。
福田貴重さんは1997年に刺繍の技術で人間国宝に認定されました。
終戦後、刺繍の第一人者である父の福田喜三郎さんのもとで刺繍の修行を始めました。
刺繍というものは当時贅沢なものだとされ、次第に衰退していってしまいました。
ですが福田貴重さんはひたすらに刺繍を刺し続けて、様々な作品展に出展するようになりました。
昔からの伝統的な文化に捉われず、新しいデザインや技法にも注目していきました。
箔と一緒に刺繍を施すことはとても高い技術が必要で、美しく輝いて見える刺繍が特徴です。
また、古代には無かった新しいデザインで奥行きや深みのある作品の数々が評価されました。
なんと使われている刺繍の技法は300を超え、20,000色もの色糸を自在に操るのが福田貴重さんです。
染と織と箔が作り出す上品な雰囲気の作品です。
紀久屋では倉敷店から順番に、2月からおかげさま展を開催しています。
今回は新社長就任展ということで企画内容が盛り沢山!
なんと期間中、先程紹介した人間国宝の着物・帯を展示しています...!
北村武資さんの繊細な織が作り出す羅・特殊な技法でできた経錦、
福田貴重さんの鮮やかで煌びやかな刺繍の世界を間近で体験することができます。
人間国宝の手による着物は、見た目の美しさだけでなく使われている技法やその人の歴史なども学べる良い機会となるはずです。
ぜひ手に取ってじっくりと着物の素晴らしさを感じていただけたらと思います。
この他にも多数の企画をしています♪
↓ おかげさま展関連のブログはこちら
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帯留ってどうやって使うの?
加賀友禅ってどんな着物?
花織とは?繊細な技術とその魅力について
おかげさま展スケジュール
【倉敷店】 2024年 2月 15日(木). 16日(金). 17日(土). 18日(日). 19日(月) ←2/22現在 終了しました
【岡山店】 2024年 2月 22日(木). 23日(金・祝). 24日(土). 25日(日). 26日(月)
【四万十店】 2024年 3月 1日(金). 2日(土). 3日(日). 4日(月)
【津山店】 2024年 3月 8日(金). 9日(土). 10日(日). 11日(月)
【宇和島会場】2024年 3月 15日(金). 16日(土). 17日(日). 18日(月)
【高知会場】 2024年 3月 28日(木). 29日(金). 30日(土). 31日(日)
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(定休日:毎週火曜日 営業時間:10:00〜19:00)
岡山本店:086-232-7766
倉敷店:086-422-2100
津山店:0868-32-5298
四万十店:0880-31-2150
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産地によってそれぞれ土地の特徴に合わせた着物が作り出されてきました。
数えきれないほどたくさんの着物の中から、一際注目されている着物があります。
それが、人間国宝によって作り出された着物です。
今回のブログでは人間国宝とは何か、どんな技法が使われているのかなどを深掘りしていきます。
・人間国宝とは?
・人数はどれくらい?
・北村武資(きたむらたけし)
・福田貴重(ふくだきじゅう)
・人間国宝の着物が集まる、おかげさま展
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人間国宝とは?
まず人間国宝を簡単に言うと、「重要無形文化財の技を持っている人」です。
日本では演劇や伝統工芸など様々な文化がありますが、それらには形があるわけではありません。
例えば伝統工芸品の本体が重要無形文化財に指定されたのではなく、
伝統工芸品を作る技術が重要無形文化財として指定されたのです。
無形という文字の通り、技には形が無いからです。
よって、重要無形文化財の技を持っている人が人間国宝に指定される、ということになります。
↓ 以前のブログでは重要無形文化財について解説していますので、こちらをご覧ください。
重要無形文化財の着物とは
人数はどれくらい?
人間国宝は芸能の部と伝統工芸の部に分かれています。
2023年時点で公表されている人間国宝の人数は合わせて109人だそうです。
古い歴史の中で109人しか認定されていないというのはとても希少だと言えます。
芸能の部では歌舞伎や能、または箏曲などの音楽といった分野があります。
伝統工芸の部では着物の染織技術、漆芸、和紙などが認定されています。
どれも日本人として誇らしい伝統技術ですね。
着物の染織部門では36名の職人が人間国宝に認定されています。
その中から2名の方の作品を、おかげさま展で展示することが決まりました...!
こちらでは2名の職人についてご紹介します。
北村武資(きたむらたけし)
北村武資さんは1995年に羅の技術で初めて人間国宝に認定されました。
さらに2000年に経錦の技術でも認定されています。
北村武資さんは京都西陣で製織業として働いていましたが5年後に退職し、西陣で着物の技術を独自で修行するようになりました。
その後中国で発見された古代の織の技法、羅を目の前で見て自分で制作することに挑戦しました。
普通の織り方であれば、経糸と緯糸はお互い直角にまっすぐ織り進められていきます。
ですが羅は経糸と緯糸が細かく網目状になるように織られています。
その結果通気性がよくなり、夏の着物や帯として使われるようになりました。
綺麗な網目状になるように織るという繊細な技術が認められ、人間国宝に認定されました。
また、羅の技術を進化させた経錦の技術でも認定されました。
緯糸に色を染めて柄を作る織り方が一般的でしたが、経錦は経糸で柄を作り出す技法です。
とても細い糸をたくさん使用するため、織り上がるのにも相当な時間がかかります。
福田貴重(ふくだきじゅう)
福田貴重さんは1997年に刺繍の技術で人間国宝に認定されました。
終戦後、刺繍の第一人者である父の福田喜三郎さんのもとで刺繍の修行を始めました。
刺繍というものは当時贅沢なものだとされ、次第に衰退していってしまいました。
ですが福田貴重さんはひたすらに刺繍を刺し続けて、様々な作品展に出展するようになりました。
昔からの伝統的な文化に捉われず、新しいデザインや技法にも注目していきました。
箔と一緒に刺繍を施すことはとても高い技術が必要で、美しく輝いて見える刺繍が特徴です。
また、古代には無かった新しいデザインで奥行きや深みのある作品の数々が評価されました。
なんと使われている刺繍の技法は300を超え、20,000色もの色糸を自在に操るのが福田貴重さんです。
染と織と箔が作り出す上品な雰囲気の作品です。
人間国宝の着物が集まる、おかげさま展
紀久屋では倉敷店から順番に、2月からおかげさま展を開催しています。
今回は新社長就任展ということで企画内容が盛り沢山!
なんと期間中、先程紹介した人間国宝の着物・帯を展示しています...!
北村武資さんの繊細な織が作り出す羅・特殊な技法でできた経錦、
福田貴重さんの鮮やかで煌びやかな刺繍の世界を間近で体験することができます。
人間国宝の手による着物は、見た目の美しさだけでなく使われている技法やその人の歴史なども学べる良い機会となるはずです。
ぜひ手に取ってじっくりと着物の素晴らしさを感じていただけたらと思います。
この他にも多数の企画をしています♪
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洗いキャンペーン開催します!!
帯留ってどうやって使うの?
加賀友禅ってどんな着物?
花織とは?繊細な技術とその魅力について
おかげさま展スケジュール
【倉敷店】 2024年 2月 15日(木). 16日(金). 17日(土). 18日(日). 19日(月) ←2/22現在 終了しました
【岡山店】 2024年 2月 22日(木). 23日(金・祝). 24日(土). 25日(日). 26日(月)
【四万十店】 2024年 3月 1日(金). 2日(土). 3日(日). 4日(月)
【津山店】 2024年 3月 8日(金). 9日(土). 10日(日). 11日(月)
【宇和島会場】2024年 3月 15日(金). 16日(土). 17日(日). 18日(月)
【高知会場】 2024年 3月 28日(木). 29日(金). 30日(土). 31日(日)
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(定休日:毎週火曜日 営業時間:10:00〜19:00)
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