
仕事に家事に忙しい毎日の中で、
ふとした瞬間に「ちょっとひと息つきたい...」
と思うことはありませんか?
そんな時、着物を着る時間が
自分にとっての"リフレッシュタイム"に
なっているという方も多いようです。
帯を結ぶときの手の感覚、
着物の衣擦れの音、
鏡の前で着姿を整える動き。
ゆっくりと進めるひとつひとつの動作が、
自然と気持ちを落ち着かせてくれるんですよね。
最初から完璧にできなくても大丈夫。
着物を着るということは「誰かに見せるため」ではなく、
「自分のための時間」でもあるのです。
着物を着る時間は自分を整える時間
着物に袖を通し、衿を正し、腰紐で締めていく。
そんなひとつひとつの動作をゆっくりと行なっているうちに、
頭の中のいろいろなことが少しずつ離れて行きます。
朝のバタバタとした時間、仕事のこと、お家のこと。
いつもは考えごとで頭がいっぱいになってしまっているのに、
着物を着ている時だけは、
今自分がしている動作にだけ集中できる。
衿元を微調整する感覚や、着物の感触に意識を向けることで
自然と呼吸も深くなり、心が整ってくるのです。
着物を着る時間は自分と向き合うための時間。
鏡の前で自分の着姿を整えながら、
「今日も一日頑張ってみよう」と小さくつぶやく。
自分と向き合っていくことで、
体と心が落ち着いてくれるような気がします。
うまくいかない日ももちろんあります。
最初から完璧な人なんているはずないのです。
でも、着るたびに少しずつ慣れて、綺麗に着られるようになっていく。
それがまた小さな自信につながり、
達成感と満足感を与えてくれます。
この時間が着付けをしているときの
一番の息抜きになっているのかもしれません。
着物は“完璧じゃなくていい”
着物を着ているとき、
つい「綺麗に着なきゃ」「これで合ってるのかな?」
「次の手順を間違えないようにしないと」と
思ってしまうことがあるかもしれません。
実際に私も最初の頃は手順のことで精一杯でした。
ですが、衿の後ろが詰まってしまったり、
帯がアンバランスでも大丈夫。
本来、着物というのは日々の暮らしの中でずっと着られてきたもの。
完璧であることよりも、「自分が着ていて
気持ちよく過ごせるかどうか、がずっと大切なんですよね。
たとえば、帯が少し右下に傾いてしまった日。
「失敗したー!」と思ってしまうことが多いのですが、
鏡を見ながら「まあ、これも味かな」と言えるようになると
気持ちがふっと楽になるはず。
着物を着る時間は上手くなることを競うのではなく、
自分と向き合って"今の自分を受け止める時間"にもなりますね。
着物の「ゆらぎ」にこそ美しさを感じる文化があります。
同じ色柄でも染め方によって見え方が少しずつ違うように、
着る人の動作やその日の気分によって着姿も変わってきます。
その日の自分の空気が反映されるというのも、
着物の着付けの面白さのひとつです。
だから、完璧に着なくても大丈夫。
きれいにできない日があっても大丈夫。
それでも「今日はちょっと挑戦してみよう」
と思って自分から着物に袖を通すその気持ちが
一番大切なんだと思います。
“うまくいかない日”も、きものと一緒に
今日は着物を自分で着よう!と思っても
時間に余裕がなかったり、こんな日に限ってうまくいかなかったり。
そんな日も必ずやってきます。
嫌になって一旦やめて、たとう紙にしまってしまった。
という日もあるでしょう。
でも、不思議とまた挑戦してみようという気持ちが湧いてくることがあります。
着物は、私たちが焦っても怒っても、
いつも静かにそこにいてくれる不思議な存在。
忙しさに追われる日々の中で、
着る元気がない日でも、たとう紙を開いて
見ているだけでも心が落ち着くことがあるのです。
着物はそれぞれに特別な技法が使われており、
近くで見れば見るほどおもしろいのです。
私たちスタッフも展示会の準備の時から
お客様と同じように近くで見入ってしまいます。笑
気持ちに余裕がないときこそ、
少し手を止めて着物に触れてみることで、
絹の柔らかさや細やかな柄の美しさに心が落ち着く。
きれいに着ることだけが着物の楽しみ方ではなく、
見て楽しむ良さもあるのです。
着物を通して、自分にやさしくなれる
以前は忙しさの中でいつも周りを優先して、
自分のことは後回しに。
でも着物を着る日は、自分のための時間が生まれます。
着物を選ぶ時間、どれが似合うか小物合わせをしている時間、
鏡の前で着姿を整える時間。
そのひとつひとつが自分のための大切なひとときになるのです。
短い時間でも、「好きなものに触れる時間」は
不思議と心地よくなるんですよね。
着物の触り心地、帯締めを結ぶ瞬間の静けさ。
そうした感覚に意識が向くようになります。
上手く着られなくても、慌ただしい日でも。
自分が好きな着物に袖を通すだけで
ちょっと優しい気持ちになるのです。
紀久屋の想い
私たちは、着物を「特別な日のためのもの」だけではなく、
“日常の中にある、ちいさな幸せ”として感じてもらいたいと思っています。
忙しい毎日の中で、ほんの少しだけでも自分の時間を持つこと。
それが、帯を結ぶ時間だったり、
好きな色の着物を選ぶひとときだったりしてもいい。
そんな「心がととのう時間」を、着物を通してお届けしたい。
それが、紀久屋のいちばんの願いです。
「上手に着られるのかな....」と不安に思う方も、
気軽に一歩を踏み出してみてください。
紀久屋の着付け教室は、着物をきっかけに
自分のペースで楽しむ時間を応援しています。
着物は、普段の暮らしをちょっと豊かにしてくれるもの。
季節の移ろいや、自分の変化を感じながら、
“自分らしい息抜き”として、気軽に楽しんでみてください。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます(^ ^)
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