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無料きもの着付教室|岡山・倉敷・津山・四万十市・高知の着物専門店、紀久屋

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紀久屋スタッフブログ

着付け教室に通いたくなった理由(わけ)
2017年10月24日
先日着付け教室に通っていただいている皆さんに、「どうして着付け教室に通おうと思ったのか?」「どうして着付けを習いたくなったのか?」という感じの質問をしたときのこと。それぞれに色々な理由を教えてくださいました。

「いちいち美容院へ行くとランニングコストがかかりすぎるから」「もっと気軽に着物を楽しみたいから」「日本女性に生まれたからには、先生になれなくてもせめて自分で着物を着たいから」「娘たちに、お祭りや花火の時に浴衣を着せてやりたいから」など、いろいろなきっかけを教えていただくことができました。

その中で、抱腹絶倒、空前絶後の面白い(ごめんなさい)お話がありましたので、ここでご紹介いたします。
その方はここでは仮に由実さんと呼びます。

女性限定の「利き酒の会」というのがあって、各地の珍味と日本酒を食べたり飲んだりする楽しい会らしいんですが、なんと! 呉服関係の方が主催じゃないのにドレスコードは浴衣または着物ということだったそうで、日本酒が大好きな由実さん。着物も好きなので二つ返事で参加を決めたそうです。

お友だちとは駅で待ち合わせ。着付けはもう長年近所づきあいをしている隣のおばあちゃんが担当してくれることになったのだとか。まぁおばあちゃんと行っても60代で先日までお勤めをしていた方だというので安心していました。

隣のおばあちゃんは、腕まくりにねじりハチマキでとっても張り切って、汗だくになって着付けをしてくださったのだとか。1時間以上かかってやっと着付けが出来上がり。その頃には由実さんもおばあちゃんもすっかりくたびれ果ててしまったようですが、お友だちとの待ちあわせもあるので、挨拶もソコソコに飛び出した由実さん。

ところが、お友だちと出会ってお互いの着物を眺めたり誉め合ったりしているうちになんとなく、心臓にチクンと痛みを感じたそうですが、「気のせい、気のせい」と自分に言い聞かせてお友だちと会へ。

その会は40人ほどがだんだん集まってきて、みんな着物や浴衣でおしゃれをしているので、とても楽しそうな雰囲気。このイベント、会場の2階の和室で着付けをしてくれるサービスもあったらしく、中には、洋服で来て、着物に着替えて降りてくる人もいて、早めに着いた由実さんとお友だちはキョロキョロしながら、お隣のグループと挨拶をしたり、テーブルに並んでいる一升瓶や五号瓶を見て、味を想像したり……

主催者の挨拶、造り酒屋の女将さんの挨拶があって、次にプラスチックの小さなコップが配られました。今から大吟醸、吟醸、本醸造、純米と、同じ銘柄で種類がいくつかあるので一つずつ味見をして、一番気に入ったと思うものを飲んでくださいと。

大吟醸と純米酒の違いとか、醸造酒とはなにか?などを教えて貰いながら利き酒を楽しんでいるとやっぱり心臓がチクンと痛い。
なんだろうと思って少し心配になりましたが、なんせ日本酒が美味しい! ということで、飲んでは痛い、飲んでは痛いと繰り返しているうちに、痛みは冗談じゃない!! というレベルに達してきました。

「うううう」と心臓を押さえていると、お友だちと主催者の方が「顔色が悪いよ」とか「ちょっと青いよ」と言われてお水を貰って一気飲み。それでも痛みは治まらないので、とりあえず2階の和室で休ませて貰うことになりました。着付けサービスをしている着付けの先生もいたので、一緒に上がって貰って帯を解き、着物を脱がせて貰ったのですが………

そこで原因判明!
同世代の着付けの先生が「あら〜〜〜」「きゃーーーっ」「こりゃ痛いはずだわ」といいながらシュルルルル〜シュルルルル〜〜〜〜と紐を外して、脱がせてくれます。

出てくること出てくること……! 紐とコーリンベルトがまぁ〜、ビックリするほどたくさん出てくるではありませんか! 最初は、先生も、由実さんも唖然とするばかり。心配で一緒に2階に上がってきた友だちは、紐とコーリンベルトを畳みながら正座をして下を向いています。

うずたかく積み上がった紐や伊達締め、コーリンベルトを眺めながら、由実さんが「ああ、思い切り息ができる〜〜」と叫んだとたん、皆で大爆笑!
肋骨に、コーリンベルトの留め金が刺さっていたのが痛みの原因。顔が青かったのは、胸も、胸下も、お腹も、下腹もギュウギュウに紐で縛ってあって呼吸困難だったせい。

しばらく休んだあとで、先生に改めて着付けをしてもらったところ、帰りは紙袋いっぱいの紐を持ち帰る羽目になりましたが、快適で、痛いところも苦しいところもなく、着姿もゆったりとおちついてむしろ美しい! 

その日着付けのサービスをしていた先生が「やっぱり、着物が好きなら、自分で着られるようになったほうがいいですよ。その人なりの体型に応じて快適な着付けができるのは自分だけなので」と優しくアドバイスしてくれたのをきっかけに、由実さんは着付け教室に通って、自分で着て出かけられるようになりたい! いや、なるんだ! と決意をしたそうです。

タグ: 着付け教室  着物