紀久屋スタッフブログ
2018年08月26日
台風が過ぎてゆきましたね。
岡山市内は、翌日から嘘のように晴れ間がのぞいております。
皆さんのお住みのところは大丈夫でしたか?
何も被害が起きていないことを願うばかりです。
そういえば、先日、新着ニュースで着物の保管についてのお話を更新しました!
良かったら見てみてください
初夏からこの夏にかけて、豪雨や台風、そして猛暑と異常気象が続いています。
“人の考えや思いが現実化する”というお話を聞いたことはありませんか?
怪しい勧誘みたいなフレーズですが、
これは人のイメージや想像が現実に起こるということ、
つまり私たちからそれを引き寄せているというお話なのです。
まずは気持ちから明るいイメージで、異常気象を吹き飛ばしましょう!
“イメージ”といえば、
少し話が変わってしまいますが、日本人は季節を楽しむのが得意ですよね。
それを特に夏に感じるのですが、例えば風鈴で涼を感じるなど…
これは想像力の豊かさもあるのではないかな、なんて先日思いました。
「涼」はつくれる?
・風鈴
風になびく風鈴の姿、不規則ながらも心地よい音色を奏でる風鈴は、
目と耳で涼を感じさせてくれます。
素朴な音色が特徴の南部鉄製の風鈴、
目にも涼やかで、軽やかな音を奏でるガラス製の風鈴など、種類もいろいろありますね。
そもそも風鈴は、
軒下に吊るしておけば魔物がその音を嫌って中に入ってくることができないとされ、
魔除けとして使われていました。
意外にも夏の風物詩として風鈴が広まったのは戦後になってからで、比較的最近のこと。
ちなみに風鈴の色は、戦前は魔除けを意味する朱色だったのですが、
戦後はより涼しさをイメージさせる青色に変わっていきました。
時代とともに意味合いも変わってきたのですね。
現代の日本人にとって風鈴の音は、「風」を強くイメージさせるもの。
湿度が高い日本では、気温の変化が無くても風が吹くことにより体感温度が下がるため、
風が吹けば「涼しい」と感じることができます。
その「風が吹いている」という記憶を想起させる風鈴の音が、
冷感を生じさせる理由のひとつではないでしょうか。
もちろん、風にたゆたう姿も涼を生んでいると思いますが。
視覚と聴覚によびかけているんですね。
・涼しいと感じる色を取り入れる
小物や雑貨など小さなものでも少し色を変えることで部屋の中の雰囲気を変えられます。
それは皆さんも想像できることとは思いますが、涼しさもそれで作ることができるのです。
涼しいと感じる色といえば何色を思いうかべますか?
太陽をイメージさせる赤やオレンジ・黄色系の色は暑い、
暖かいと感じるため暖色と呼ばれています。
反対に寒色と呼ばれるのが水や氷をイメージさせる青系。
寒色は寒い、涼しいと感じる方が多いのではないでしょうか。
濃い青はさびしいイメージをあわせもっていますが、淡い青だと涼しさの中に少し優しさ、
暖かみがあるような気がしませんか?
わたしは、先日祖母の家に遊びに行った時に実感しました。
リビングの机の上が
こんな感じになっていたのです。
普段は何も置いていないのに、うちわと淡い青色の和紙が置いてありました。
たったこれだけのことなのに、おもてなしの心と夏、さらには涼しさまで感じました。
していることは、うちわの下に淡い青色の和紙を敷いているだけ。
それだけで涼を感じるって面白いなと思ったのです。…不思議ですよね。
日本人の心、知恵、想像力、そして、これは着物にも通じます。
“浴衣”もその一つ。
ご存知の通りゆかたは洋服と比べてみても形状が全く異なります。
ワンピース状の衣服で左右を重ね帯を締める。
袖部分だけでなく裾からの風の通りもいいので、
きちんと夏を過ごせるように考えられているんです。
見た目にも爽やかな地色を選べば、洋服にはない涼やかさを感じさせてくれます。
そして、素足で履く下駄の音もまた、カランコロンと軽やかでいいですよね。
また、“夏の着物”のあの透け感は「涼」を感じさせるためにあるような気がします。
薄い地色で絽や紗など透ける素材の着物。
そのため下の長襦袢が透けて涼しさを感じさせてくれる…
もちろん、着た時の涼しさを考えてそのようになったのかもしれませんが、
見え方も意識されていると思うのです。
だから小物選びまで、あくまで「涼」を意識してコーディネートするのではないでしょうか。
ちなみに、この時期はまだ夏物ですが、立秋を過ぎたため暦の上では秋。
着物の地色をキナリなどにして少し秋を先取りしつつ、帯に寒色系のものを持ってきて
夏の名残を表現したりと、この時期はこの時期なりのコーディネートを考えるのも楽しいですね。
今年の猛暑が、風鈴の音色や涼しそうな色味だけで乗り越えられるわけではありませんが、
聴覚、視覚、そうやってこの暑ささえも上手に楽しめるものなのだなと感動しました。
季節と関わる着物もそう。
そういうことを思うようになったのも、こうやって着物と関わるようになってからだ思います。
純粋に嬉しいですね、新しい気づきと心、着物に感謝です。
そんな着物と季節に関わるお話を
紀久屋無料着付け教室前結び講師でもある上田店長が、ラジオでも毎月お話ししています。
今月は、なんと明日!
8月27日(月) 15:30〜15:40
RSK山陽放送ラジオ「表町LIVE!あも〜れ!マッタリーノ!」
時間は大体これくらいで10分ほどお話しします。
お時間のある方は、是非とも聴いてみてくださいね♪
岡山市内は、翌日から嘘のように晴れ間がのぞいております。
皆さんのお住みのところは大丈夫でしたか?
何も被害が起きていないことを願うばかりです。
そういえば、先日、新着ニュースで着物の保管についてのお話を更新しました!
良かったら見てみてください
初夏からこの夏にかけて、豪雨や台風、そして猛暑と異常気象が続いています。
“人の考えや思いが現実化する”というお話を聞いたことはありませんか?
怪しい勧誘みたいなフレーズですが、
これは人のイメージや想像が現実に起こるということ、
つまり私たちからそれを引き寄せているというお話なのです。
まずは気持ちから明るいイメージで、異常気象を吹き飛ばしましょう!
“イメージ”といえば、
少し話が変わってしまいますが、日本人は季節を楽しむのが得意ですよね。
それを特に夏に感じるのですが、例えば風鈴で涼を感じるなど…
これは想像力の豊かさもあるのではないかな、なんて先日思いました。
「涼」はつくれる?
・風鈴
風になびく風鈴の姿、不規則ながらも心地よい音色を奏でる風鈴は、
目と耳で涼を感じさせてくれます。
素朴な音色が特徴の南部鉄製の風鈴、
目にも涼やかで、軽やかな音を奏でるガラス製の風鈴など、種類もいろいろありますね。
そもそも風鈴は、
軒下に吊るしておけば魔物がその音を嫌って中に入ってくることができないとされ、
魔除けとして使われていました。
意外にも夏の風物詩として風鈴が広まったのは戦後になってからで、比較的最近のこと。
ちなみに風鈴の色は、戦前は魔除けを意味する朱色だったのですが、
戦後はより涼しさをイメージさせる青色に変わっていきました。
時代とともに意味合いも変わってきたのですね。
現代の日本人にとって風鈴の音は、「風」を強くイメージさせるもの。
湿度が高い日本では、気温の変化が無くても風が吹くことにより体感温度が下がるため、
風が吹けば「涼しい」と感じることができます。
その「風が吹いている」という記憶を想起させる風鈴の音が、
冷感を生じさせる理由のひとつではないでしょうか。
もちろん、風にたゆたう姿も涼を生んでいると思いますが。
視覚と聴覚によびかけているんですね。
・涼しいと感じる色を取り入れる
小物や雑貨など小さなものでも少し色を変えることで部屋の中の雰囲気を変えられます。
それは皆さんも想像できることとは思いますが、涼しさもそれで作ることができるのです。
涼しいと感じる色といえば何色を思いうかべますか?
太陽をイメージさせる赤やオレンジ・黄色系の色は暑い、
暖かいと感じるため暖色と呼ばれています。
反対に寒色と呼ばれるのが水や氷をイメージさせる青系。
寒色は寒い、涼しいと感じる方が多いのではないでしょうか。
濃い青はさびしいイメージをあわせもっていますが、淡い青だと涼しさの中に少し優しさ、
暖かみがあるような気がしませんか?
わたしは、先日祖母の家に遊びに行った時に実感しました。
リビングの机の上が
こんな感じになっていたのです。
普段は何も置いていないのに、うちわと淡い青色の和紙が置いてありました。
たったこれだけのことなのに、おもてなしの心と夏、さらには涼しさまで感じました。
していることは、うちわの下に淡い青色の和紙を敷いているだけ。
それだけで涼を感じるって面白いなと思ったのです。…不思議ですよね。
日本人の心、知恵、想像力、そして、これは着物にも通じます。
“浴衣”もその一つ。
ご存知の通りゆかたは洋服と比べてみても形状が全く異なります。
ワンピース状の衣服で左右を重ね帯を締める。
袖部分だけでなく裾からの風の通りもいいので、
きちんと夏を過ごせるように考えられているんです。
見た目にも爽やかな地色を選べば、洋服にはない涼やかさを感じさせてくれます。
そして、素足で履く下駄の音もまた、カランコロンと軽やかでいいですよね。
また、“夏の着物”のあの透け感は「涼」を感じさせるためにあるような気がします。
薄い地色で絽や紗など透ける素材の着物。
そのため下の長襦袢が透けて涼しさを感じさせてくれる…
もちろん、着た時の涼しさを考えてそのようになったのかもしれませんが、
見え方も意識されていると思うのです。
だから小物選びまで、あくまで「涼」を意識してコーディネートするのではないでしょうか。
ちなみに、この時期はまだ夏物ですが、立秋を過ぎたため暦の上では秋。
着物の地色をキナリなどにして少し秋を先取りしつつ、帯に寒色系のものを持ってきて
夏の名残を表現したりと、この時期はこの時期なりのコーディネートを考えるのも楽しいですね。
今年の猛暑が、風鈴の音色や涼しそうな色味だけで乗り越えられるわけではありませんが、
聴覚、視覚、そうやってこの暑ささえも上手に楽しめるものなのだなと感動しました。
季節と関わる着物もそう。
そういうことを思うようになったのも、こうやって着物と関わるようになってからだ思います。
純粋に嬉しいですね、新しい気づきと心、着物に感謝です。
そんな着物と季節に関わるお話を
紀久屋無料着付け教室前結び講師でもある上田店長が、ラジオでも毎月お話ししています。
今月は、なんと明日!
8月27日(月) 15:30〜15:40
RSK山陽放送ラジオ「表町LIVE!あも〜れ!マッタリーノ!」
時間は大体これくらいで10分ほどお話しします。
お時間のある方は、是非とも聴いてみてくださいね♪