紀久屋スタッフブログ
2018年08月30日
先日、ラジオ放送がありました。
皆さん、聴いてくださいましたか?
今回は、成人式のお話…の前に
まずは上田店長の着物のお話を。
板締めの着物に琉球藍の帯で、先日のブログの話でもないですが
本当に見ているこちらが涼しくなるようなコーディネート。
アナウンサーのお二人も、一番最初に声を揃えて「涼しげですね」と言ってくださって、
これだけ視覚に訴えかける着物の魅力に改めて驚きと感動でした。
今回は成人式のお話だったわけですが…
成人といえば、皆さんが気になるところはやはり“18歳成人”。
これから成人されるお嬢様やそのご家族の方は特に心配なところだと思います。
18歳は自分が生きていく進路を決めるとても大切な時期。
そんな大切な時に大変…というのももちろんですが、
“20歳で振袖を着る”ということにはやはり意味があると思います。
振袖は「厄除け」だった?!
厄年とは、災難や病気がふりかかるとされた年齢のこと。
古くは男女の区別なく、
生まれ年が廻ってくる13、25、37、49、61歳が厄年とされていました。
今は、地域によって年齢や男女の区別も異なりますが、
男性が25、42、61歳、女性が19、33、37歳が一般的です。
いずれも数え年で、厄年を本厄、その前年を前厄、翌年を後厄として、
三年間、身を慎まなければならない、とも言われています。
そんな厄年の厄除けに良いとされているのが、「長いもの」。
長いものには、「長寿」の意味が込められています。
昔は今よりも寿命が短かったため、より長生きできるように、
長いものを人の一生に見立てて縁起がいいものとしていました。
細く長くで「健康長寿」を願った年越しそばがそのいい例ですね。
他にも、邪気を払ってくれる魔除けの生き物「蛇」も
その長さとあいまって厄除けに良いとされてきました。
つまり、厄年に長いものを身に着けることによって、
健康を願い、厄払いにつなげていたわけです。
「長いもの」といえば着物にはたくさんでてきます。
帯や腰ひも、振袖の振り…
昔は、特に女性の場合、着物を普段着としていたことから、
帯や腰ひもを身内から贈られ、それを身に着けていたそうです。
「長いもの」を常に身につけることで厄払いをしていたわけですが、
振袖の「振り」もその一つ。
振袖は、長い袖がゆらゆら揺れ動くもの。
19歳で厄がある女性は、この長い袖により厄を払うとされていたのです。
現在、振袖と言えば未婚女性の第一礼装とされていますが、
かつては子どもにも振袖を着せていた時代がありました。
これは長い袖を振る仕草が「魔を祓う」「厄除け」になると思われていたため。
子どもが病気や厄にとりつかれないようにという願いを込めて、振袖を着せていたのです。
つまり、振袖は「厄除けアイテム」でもあったのですよ。
そもそも、振袖という名前は、長い袖を振ることに由来しています。
古来より「振る」という行為には呪術的な意味があり、
振ることで神の魂を奮い立たせたり、神を呼び寄せたり、厄を払ったりすると考えられていました。
これを「魂振り(たまふり)」といい、神に仕える女性たちは長い布や袖を振って魂振りをしていたそうです。
神社で柏手を打ったり、鈴を鳴らしたり、神輿を揺さ振ったりするのも魂振りのひとつ。
やがてこの魂振りは、神に対してだけではなく、人に対しても行われるようになっていきました。
意中の人を振り向かせたり、心を通わせたり、祈願したりするために、袖を振るようになったのです。
『万葉集』などには、愛する人に向けて袖を振る歌が数多く残っています。
また、振る行為には厄払いや神のご加護で安寧を祈願する意味もあるので、
私たちが「いってらっしゃい」と手を振るのもここからきているといわれています。
ラジオで上田店長が言っていたように
“二十歳で振袖を着ることは、日本の伝統衣装である着物を着ることで、
気持ちまで引き締まり、改めて大人になったことを意識する−−”
そんなお嬢様自体の大人への自覚とともに、
晴れの成人式や結婚式に振袖を着ることで人生の門出に身を清めるという意味もあります。
そして、親が子に二十歳になって振袖を贈ること、着る機会を贈ることは
19歳の厄払い、子どもが無事に成人したことへの喜び、
親の子に対する「これからも健康で元気に過ごせますように…」という
願いが込められている大切な通過儀礼。
通常の袖丈よりも大分長くなっているその長い袖には、
お守りのような秘めた思いや気持ちがたくさんたくさん込められているのです。
そんな大切な日を、しっかりと受け止め迎えられるように、
今まで通りお嬢様方の気持ちがすこし落ち着いた頃に成人式が行われたらなと思います。
神奈川県逗子市では、
“民法改正後も、対象年齢を20歳とし、「20歳を祝う成人の集い」を開催します。”
としてもう声明が出されています。
これから、他の自治体はどういう判断をしていくのでしょうか?
色々と自分たちの気持ちを言ってしまいましたが、
どのようになっても、お嬢様にとってもご家族様にとっても一生に一度の大切な日。
40年以上地元で続いている呉服屋として、
紀久屋は皆様をしっかりとサポートできるように努力してまいります。
素敵な1日に向けてお手伝いさせてくださいね。
来月のラジオ「表町LIVE!あも〜れ!マッタリーノ!」は、9月24日(祝•月)に放送予定!また、是非とも聴いてみてくださいね!
皆さん、聴いてくださいましたか?
今回は、成人式のお話…の前に
まずは上田店長の着物のお話を。
板締めの着物に琉球藍の帯で、先日のブログの話でもないですが
本当に見ているこちらが涼しくなるようなコーディネート。
アナウンサーのお二人も、一番最初に声を揃えて「涼しげですね」と言ってくださって、
これだけ視覚に訴えかける着物の魅力に改めて驚きと感動でした。
今回は成人式のお話だったわけですが…
成人といえば、皆さんが気になるところはやはり“18歳成人”。
これから成人されるお嬢様やそのご家族の方は特に心配なところだと思います。
18歳は自分が生きていく進路を決めるとても大切な時期。
そんな大切な時に大変…というのももちろんですが、
“20歳で振袖を着る”ということにはやはり意味があると思います。
振袖は「厄除け」だった?!
厄年とは、災難や病気がふりかかるとされた年齢のこと。
古くは男女の区別なく、
生まれ年が廻ってくる13、25、37、49、61歳が厄年とされていました。
今は、地域によって年齢や男女の区別も異なりますが、
男性が25、42、61歳、女性が19、33、37歳が一般的です。
いずれも数え年で、厄年を本厄、その前年を前厄、翌年を後厄として、
三年間、身を慎まなければならない、とも言われています。
そんな厄年の厄除けに良いとされているのが、「長いもの」。
長いものには、「長寿」の意味が込められています。
昔は今よりも寿命が短かったため、より長生きできるように、
長いものを人の一生に見立てて縁起がいいものとしていました。
細く長くで「健康長寿」を願った年越しそばがそのいい例ですね。
他にも、邪気を払ってくれる魔除けの生き物「蛇」も
その長さとあいまって厄除けに良いとされてきました。
つまり、厄年に長いものを身に着けることによって、
健康を願い、厄払いにつなげていたわけです。
「長いもの」といえば着物にはたくさんでてきます。
帯や腰ひも、振袖の振り…
昔は、特に女性の場合、着物を普段着としていたことから、
帯や腰ひもを身内から贈られ、それを身に着けていたそうです。
「長いもの」を常に身につけることで厄払いをしていたわけですが、
振袖の「振り」もその一つ。
振袖は、長い袖がゆらゆら揺れ動くもの。
19歳で厄がある女性は、この長い袖により厄を払うとされていたのです。
現在、振袖と言えば未婚女性の第一礼装とされていますが、
かつては子どもにも振袖を着せていた時代がありました。
これは長い袖を振る仕草が「魔を祓う」「厄除け」になると思われていたため。
子どもが病気や厄にとりつかれないようにという願いを込めて、振袖を着せていたのです。
つまり、振袖は「厄除けアイテム」でもあったのですよ。
そもそも、振袖という名前は、長い袖を振ることに由来しています。
古来より「振る」という行為には呪術的な意味があり、
振ることで神の魂を奮い立たせたり、神を呼び寄せたり、厄を払ったりすると考えられていました。
これを「魂振り(たまふり)」といい、神に仕える女性たちは長い布や袖を振って魂振りをしていたそうです。
神社で柏手を打ったり、鈴を鳴らしたり、神輿を揺さ振ったりするのも魂振りのひとつ。
やがてこの魂振りは、神に対してだけではなく、人に対しても行われるようになっていきました。
意中の人を振り向かせたり、心を通わせたり、祈願したりするために、袖を振るようになったのです。
『万葉集』などには、愛する人に向けて袖を振る歌が数多く残っています。
また、振る行為には厄払いや神のご加護で安寧を祈願する意味もあるので、
私たちが「いってらっしゃい」と手を振るのもここからきているといわれています。
ラジオで上田店長が言っていたように
“二十歳で振袖を着ることは、日本の伝統衣装である着物を着ることで、
気持ちまで引き締まり、改めて大人になったことを意識する−−”
そんなお嬢様自体の大人への自覚とともに、
晴れの成人式や結婚式に振袖を着ることで人生の門出に身を清めるという意味もあります。
そして、親が子に二十歳になって振袖を贈ること、着る機会を贈ることは
19歳の厄払い、子どもが無事に成人したことへの喜び、
親の子に対する「これからも健康で元気に過ごせますように…」という
願いが込められている大切な通過儀礼。
通常の袖丈よりも大分長くなっているその長い袖には、
お守りのような秘めた思いや気持ちがたくさんたくさん込められているのです。
そんな大切な日を、しっかりと受け止め迎えられるように、
今まで通りお嬢様方の気持ちがすこし落ち着いた頃に成人式が行われたらなと思います。
神奈川県逗子市では、
“民法改正後も、対象年齢を20歳とし、「20歳を祝う成人の集い」を開催します。”
としてもう声明が出されています。
これから、他の自治体はどういう判断をしていくのでしょうか?
色々と自分たちの気持ちを言ってしまいましたが、
どのようになっても、お嬢様にとってもご家族様にとっても一生に一度の大切な日。
40年以上地元で続いている呉服屋として、
紀久屋は皆様をしっかりとサポートできるように努力してまいります。
素敵な1日に向けてお手伝いさせてくださいね。
来月のラジオ「表町LIVE!あも〜れ!マッタリーノ!」は、9月24日(祝•月)に放送予定!また、是非とも聴いてみてくださいね!