紀久屋スタッフブログ
2017年11月03日
さて、私がこの仕事を始めて、店で着付けを習いたての頃、先輩から帯枕とか帯板に自分の名前を書いておくように言われてマジックで小さく名前を書いていたのですが、着付け教室の生徒さんの中にはステキに刺繍とかをしている方などがいて、名前じゃなくて千鳥の刺繍だったんですけど、多分、自分のマークなんでしょうね。こういう人は和の文化とか、手芸とか、工芸とか得意で、お好きで詳しいんだろうな〜、家事とかもしっかりなさるんだろうな〜なんて思っていました。
そんな中、生徒の中に、年下の……、多分まだ二十歳くらいの生徒さんがいて、その子は、自分の名前の他に帯板に「帯板」、帯枕に「帯枕」と書いてあったんですよ。不思議な人がいるもんだな〜と思って、仲良くなってから、ちょっと聞いてみたら、
「なんかよく分からないですけど、着付けの道具って……、全部、『帯なんちゃら』じゃありません? 先生が「はい、次に帯枕」と言ったときに、私だけ帯板を持っていたときがあったんです。 もう、も〜のすごく恥ずかしかったから、今度から間違えないように書いておこうと思って」ってその子がキラキラした真剣な眼差しで言うんです。
私は、そんなことがあったのをぜんぜん覚えていなくて、恥ずかしい思いをしていることも覚えていなかったですし、その時、結構笑いが起こったりしたこともすっかり忘れてしまっていたのですが、その子は結構ショックだったみたい。誰もバカにしていないし、「かわいらしいな〜」と思って微笑んだというのが事実だと思うのですが、笑われたほうはそうは受け止められなかったみたいで……。
ああ、もっとそういう心に寄り添わなきゃいけないなぁと反省しながらも、いろいろ思うところあり、学ぶところありの出来事でした。
お客さまや生徒さんに恥をかかせるようなことはあってはもちろんいけないし、紀久屋の着付け教室が無料なのは、自分で楽しく着られる人を増やしたいという社長の理念あってのこと。すばらしいことだと思うので、もっと若い人も、年配の方も、楽しく自由に着物を美しく、楽しく、自分らしく着ることができるようになって欲しいなぁと実感し、使命感にも燃えたのでした。
私は、祖母や母が着物をたまに着る人だったので、小さい頃はよくお祭りには浴衣、お正月は着物を着せて貰う機会も多くて、それがすごくうれしかったのを覚えています。そして、何よりも母や祖母が着物を着るのがとても好きだったので、そういう日は朝から祖母や母にまとわりついて、妙に迷惑がられたものでした。でも、前の晩に着物がハンガーに下げられていると何かもう、ものすごくうれしくて、「あ、明日着るんだ」と思うと自分までワクワク。私の着物好きはやっぱり母たちの影響がけっこう大きいんだろうなと、今になって思います。
そんな環境で育ったせいか、いつ覚えたのか分かりませんが、着付けを習う頃には「おはしょり」くらいは自分でできましたし、祖母や母が着物を着るのを眺めているのがとても好きだったので、そのうち「ほら、腰紐とって」とか言われていたのもあって、道具類の名前などはいつの間にか知っていたのです。
帯板に「帯板」と書く人がいることを知り、すごく衝撃だったし、ちょっとショックのような複雑な心境になりました。聞けば、実家には和箪笥はなくて、和室もなく、祖父母とは別居で、兄弟は兄と自分だけ。母親は一切着物を着ない人だったそうなので、高校生の時にお祭りで浴衣を着るときも、なんと美容院を予約して着せて貰ったそうなんです。
そうか〜、そういうご家族もあるのだな〜、そして、これからも、そんなご家族、ご家庭はどんどん増えるのかもしれないな〜と痛感しました。私はまだ着付けを教える先生にはなっていないのですが、道具の名前や、数種類あるそれぞれの特徴などは、丁寧に説明できるようになりたいと思います。
例えば、帯枕ひとつとっても、ぺたんこで幅の広いものや、長四角っぽいもの、三角ぽいもの、立体感のあるもの……といろいろです。これまでは、あまりその違いを気にしたことはなかったのですが、これだけ種類があるということは、きっとそれだけ用途や、使ったときのお太鼓のカタチに違いが出ると言うことですよね。それをしっかりとお客さまに説明したり、アドバイスできる店でありたいと思います。
そもそも、「ベストオブお太鼓のカタチ」っていうのがよく分からない。TPOも分からないという方は多いのではないかと推察しております。フォーマルとカジュアルでも違うし、年齢とか体型とかによって多分、理想的なお太鼓のカタチって違うと思うのです。
そう考えると、衿合わせの角度とか、半衿をどれくらい見せるのか? とか、帯の高さとか、帯揚げをどれくらい見せるか? とか、もっと言えば、それらをどうすると若々しく見えるのか? 痩せて見えるのか? とか、着付け教室で習う手順の他に、ちょっとした……なんというのでしょう? コツとか、考え方って言うのがあるんですよね。
好みも、体型も、年齢もバラバラのお客さまそれぞれに、例え腰紐一本でも、帯枕一つでも、ベストな提案ができるお店でありたいと思っています。それが、着付け教室無料の精神に繋がっているようなきがするから……。
そんな中、生徒の中に、年下の……、多分まだ二十歳くらいの生徒さんがいて、その子は、自分の名前の他に帯板に「帯板」、帯枕に「帯枕」と書いてあったんですよ。不思議な人がいるもんだな〜と思って、仲良くなってから、ちょっと聞いてみたら、
「なんかよく分からないですけど、着付けの道具って……、全部、『帯なんちゃら』じゃありません? 先生が「はい、次に帯枕」と言ったときに、私だけ帯板を持っていたときがあったんです。 もう、も〜のすごく恥ずかしかったから、今度から間違えないように書いておこうと思って」ってその子がキラキラした真剣な眼差しで言うんです。
私は、そんなことがあったのをぜんぜん覚えていなくて、恥ずかしい思いをしていることも覚えていなかったですし、その時、結構笑いが起こったりしたこともすっかり忘れてしまっていたのですが、その子は結構ショックだったみたい。誰もバカにしていないし、「かわいらしいな〜」と思って微笑んだというのが事実だと思うのですが、笑われたほうはそうは受け止められなかったみたいで……。
ああ、もっとそういう心に寄り添わなきゃいけないなぁと反省しながらも、いろいろ思うところあり、学ぶところありの出来事でした。
お客さまや生徒さんに恥をかかせるようなことはあってはもちろんいけないし、紀久屋の着付け教室が無料なのは、自分で楽しく着られる人を増やしたいという社長の理念あってのこと。すばらしいことだと思うので、もっと若い人も、年配の方も、楽しく自由に着物を美しく、楽しく、自分らしく着ることができるようになって欲しいなぁと実感し、使命感にも燃えたのでした。
私は、祖母や母が着物をたまに着る人だったので、小さい頃はよくお祭りには浴衣、お正月は着物を着せて貰う機会も多くて、それがすごくうれしかったのを覚えています。そして、何よりも母や祖母が着物を着るのがとても好きだったので、そういう日は朝から祖母や母にまとわりついて、妙に迷惑がられたものでした。でも、前の晩に着物がハンガーに下げられていると何かもう、ものすごくうれしくて、「あ、明日着るんだ」と思うと自分までワクワク。私の着物好きはやっぱり母たちの影響がけっこう大きいんだろうなと、今になって思います。
そんな環境で育ったせいか、いつ覚えたのか分かりませんが、着付けを習う頃には「おはしょり」くらいは自分でできましたし、祖母や母が着物を着るのを眺めているのがとても好きだったので、そのうち「ほら、腰紐とって」とか言われていたのもあって、道具類の名前などはいつの間にか知っていたのです。
帯板に「帯板」と書く人がいることを知り、すごく衝撃だったし、ちょっとショックのような複雑な心境になりました。聞けば、実家には和箪笥はなくて、和室もなく、祖父母とは別居で、兄弟は兄と自分だけ。母親は一切着物を着ない人だったそうなので、高校生の時にお祭りで浴衣を着るときも、なんと美容院を予約して着せて貰ったそうなんです。
そうか〜、そういうご家族もあるのだな〜、そして、これからも、そんなご家族、ご家庭はどんどん増えるのかもしれないな〜と痛感しました。私はまだ着付けを教える先生にはなっていないのですが、道具の名前や、数種類あるそれぞれの特徴などは、丁寧に説明できるようになりたいと思います。
例えば、帯枕ひとつとっても、ぺたんこで幅の広いものや、長四角っぽいもの、三角ぽいもの、立体感のあるもの……といろいろです。これまでは、あまりその違いを気にしたことはなかったのですが、これだけ種類があるということは、きっとそれだけ用途や、使ったときのお太鼓のカタチに違いが出ると言うことですよね。それをしっかりとお客さまに説明したり、アドバイスできる店でありたいと思います。
そもそも、「ベストオブお太鼓のカタチ」っていうのがよく分からない。TPOも分からないという方は多いのではないかと推察しております。フォーマルとカジュアルでも違うし、年齢とか体型とかによって多分、理想的なお太鼓のカタチって違うと思うのです。
そう考えると、衿合わせの角度とか、半衿をどれくらい見せるのか? とか、帯の高さとか、帯揚げをどれくらい見せるか? とか、もっと言えば、それらをどうすると若々しく見えるのか? 痩せて見えるのか? とか、着付け教室で習う手順の他に、ちょっとした……なんというのでしょう? コツとか、考え方って言うのがあるんですよね。
好みも、体型も、年齢もバラバラのお客さまそれぞれに、例え腰紐一本でも、帯枕一つでも、ベストな提案ができるお店でありたいと思っています。それが、着付け教室無料の精神に繋がっているようなきがするから……。