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無料きもの着付教室|岡山・倉敷・津山・四万十市・高知の着物専門店、紀久屋

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紀久屋スタッフブログ

痩せて見えたい! 1グラムでもいいから
2017年12月19日
さて、先日、お客さまから着物を着たときに痩せて見えるためには、どうやって着物を着たら一番痩せて見えるか? という相談がありました。実は、この悩みはけっこうたくさんの方が悩んでいらっしゃるようです。

「もう、どう見えてもいい」とか「しょうがない」とおっしゃるお客さまも心の中ではやっぱり少しでも痩せて見えたい、若く見られたいという気持ちはあるのではないでしょうか? 逆に、「どんなに食べても太れないのよ」とおっしゃるお客さまもいて、「水飲んでも太るのよね」とおっしゃっている、痩せて見えたいお客さまに「どんなに食べても太れない」という悩みを打ち明けたらケンカになってしまいそうです。

そこで今日は、痩せて見える着付けのコツを少しだけこのブログでお知らせしてみようかと思います。もちろん、体型などによっても違いますので、微妙なところや個別にご相談の方は、遠慮なく紀久屋の担当か、お店にいる誰かに聞いてくださいね。紀久屋にはたんすコンシェルジュの資格を持った者が各店にたくさんおりますので。

さて、痩せて見えるようにするには、着付けそのもののコツと、寸法のコツと、補正のコツがあります。
たんすコンシェルジュは、お客さまの理想とする着物ライフを実現するパートナーなので、しみ抜きや、サイズ変更、丸洗いや、染め替えなどだけでなく、こうした悩みにも寄り添うのが仕事なのです。

まず、カンタンというか……今ある着物ですぐにできることから申し上げますと、
1, 少し多めに衿を抜く(襦袢に衣紋抜きを縫い付けるとカンタン)
2, 帯の前を下げる。
3, 襦袢の衿合わせを鋭角にする。
4, 裾すぼまりで褄を上げて着る。
5, 帯揚の脇を帯の中に押し込み、あまり見せない。
6, おはしょりを二重にしない。分量を多くしない。
7, 補正をしっかりする。(補正をすると太くなる!はウソ)
8, 和装ブラをする。
9, 帯をキツクしめない。
10, 可能なら襟足を出す(髪を高く結う)

などが考えられます。
1の、衿を多めに抜くのは、肩幅が広い場合や胸板が厚い場合、バストが大きい場合、クビが少し太めで短い場合、肩にも首にも肉が付いている場合などに少しすっきり見せてくれるので有効です。

2の、帯の前を下げるは、衿合わせから帯までのラインをキレイにスッキリ魅せてくれるのと、前上がりの詰まった感じにみせないこと、全体のフォルムをスッキリさせる効果が期待できます。とくに帯の真ん中を下げるのがポイント。

3の、襦袢の衿合わせを鋭角にするのは、クビを長くすっきり見せるためで、着付け教室などで良く、「おっぱいを包み込むように衿を合わせましょう」などと言われますが、その通りにすると衿合わせが直角になり、かなり上の方で詰まります。バストの大きな方や鳩胸の方、胸板の厚い方はそもそも包むことが難しいですし無理に包めば着崩れの原因にもなります。そして衿が詰まると痩せて見えるどころか、太って見えてしまいます。振袖などと違って大人の着こなしですからそんなに衿を詰めて着る必要はないでしょう。

4のすそすぼまりで褄を上げて着るのは、全体をすっきり見せるためで、思っている以上に下前をぐっと上に上げますが、その時に注意しなければならないのは、着丈がつんつるてんになる可能性が高いということです。最初かが上げよう上げようと思っていると、着終わったらクルブシすれすれの裾ライン!ということもあります。あくまでも着丈は長くいつも通りにとり、最後の最後まで床を履くようにして裾を持ってきて、最後にぐっと上げる。左右両方の裾とも同じです。そのことによってちょっとおはしょりがいつもより難しくなる可能性がありますが、それはまた後ほど。

5の帯揚ですが中には、帯揚が一番難しいという方もいるほど、着付けの最後で苦労する部分かもしれません。ごくわずかしか見えていない帯揚ですが、これが太って見えたり、痩せて見えたりに影響するなんて! ふっくら見せたい場合は帯揚の内側にジョーゼットのスカーフなどを入れるという裏技もあるんですよ♪ 痩せて見せたい場合は、脇の帯揚を見せずに、胸の下あたりで引っ込めるとあら不思議! 幅がとても狭く見えるという目の錯覚で痩せて見えるというわけです。脇に帯揚がモッコリしているととても大きく見えます。ふくよかに見せたい方は逆のことをすればよいわけです。

6番のおはしょりですが、これが案外難しい。曲がったり撚れたりシワになったり。でも、おはしょりがあることで、痩せて見えるというのもあるので、ここは一つ、おはしょりを攻略したいところです。まず、モガモガしてしまってもっさりするので、おはしょりは上前のみ。下前のおはしょりは、衿を整えたらその内側へジャバラのように畳み込み、おはしょり部分は上前のおはしょりのみにします。そして、帯の下線と平行になるよう真っ直ぐに。褄をグッと上げている場合は斜めになりやすいので、真っ直ぐにして帯のあたりで調整。どうしても抑えきれない場合は前結び用の帯板やゴムの着いた帯板、腰紐などで軽く押さえておくとスッキリ真っ直ぐになります。

7番の補正です。「私は肉襦袢を着ているから」とか「くびれがないから補正は要らない」という方もいらっしゃいます。本当に要らない方も中にはいるのですが、すごく美しく見せたい場合はやっぱり多少補正をしたほうが良さそうです。

8番の和装ブラは上記と同じで、帯の上に胸が全部乗っかってしまうなどは、とても残念な着姿になってしまいます。もちろんとても太って見えます。ここは一つ、バストを平らに滑らかに、脇肉をしっかり押さえる和装ブラでスッキリ! これでかなり美しく魅せることができます。手作り和装ブラでも構いません。伊達締の倍程度の幅で自分のバストサイズ程度の長さの晒しを2重か3重にして、先端は腰紐を切って付けておけば手作り和装ブラの完成。長襦袢の余り布で作ることもできます。結び目はブラの中に入れて外に響かないようにします。

9の帯です。「帯を締める」という言葉があるので、ギュウギュウ締めなければならないような印象がありますが、帯を締めなくても着物は脱げませんよね? なので、帯はイメージとしては「巻く」とか「添わせる」という感じで、あまり締め付ける必要はありません。落ちてしまう、緩んでしまうなどは困りますが、お太鼓結びなら、帯締をしっかり締めておけば大丈夫。あまり締めすぎると砂時計のような状態になり、バストとヒップを強調してしまうだけなので、締めるのは帯の下線だけ。上は逆台形のようにゆったりさせておいたほうが胸からのラインが美しく見えます。

最後の10ですが、クビの回りに髪がありますと、あまりスッキリして見えませんので、もしも可能ならば首回りの髪は上に上げてすっきりしているとスラーッと見えます。また、耳より下にボリュームのあるヘアスタイルよりも、耳より上にボリュームを持たせたヘアスタイルのほうがスッキリ見えます。年配の方があまり高く結い上げるのもおかしいので、その場合はトップに少しボリュームを持たせることでバランスをとってください。ヘアスタイルをすっきりさせて衿をしっかり抜けば、すらっとして見えます。

さて、ブログでは分かりにくいかもしれませんが、色々なことにちょっとしたコツがあります。もっと詳しく知りたい、練習したいという方は、お気軽にご来店、お問い合わせいただけたらと思います。