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無料きもの着付教室|岡山・倉敷・津山・四万十市で無料着付け教室をはじめ女性の美と健康をプロデュースする大人の女性のためのお店、紀久屋。

 2018年12月  

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紀久屋スタッフブログ

日日是好日と肩甲骨
2018年12月30日
平成最後の年末が暮れていきます。
今年もあとわずかと思うと、あれもこれもと、気ばかり急いてしまいますね。

今月はテレビや新聞で、素敵な着物姿を見かけることが多かったように思います。
まず、ノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑(ほんじょたすく)さんと、奥さまの滋子さん。
スウェーデンのストックホルムで行われた授賞式に、黒紋付羽織袴と艶やかな訪問着で出席しました。
受賞者のドレスコードは、男性はタキシード、女性はイブニングドレスと決まっています。
出席者はストックホルムの老舗店でタキシードを借りるケースが多いとのことですが、本庶さんの着物は地元の京都で誂えてきたもの。
今までの文化勲章親授式でも着用しているそうです。
仙台平の袴姿は、タキシード姿の出席者ばかりのなかで、ひと際凛々しく際立って見えました。
奥さまの訪問着姿も華やかで見事な着こなしでしたね。
もう一人が、歌手の松任谷由実さん(以下、ユーミン)。
高い音楽性や女性心理を巧みに描いた歌詞が評価され、作家以外に文化分野などで社会的に貢献した団体や個人にも贈られる菊池寛賞を受賞されました。
ユーミンのご実家は、八王子の老舗の呉服屋さん。
お召しものは、本加賀友禅の人間国宝・由水十久の着物でした。
さらに、故菊池寛氏の代表作『真珠夫人』にちなんだパールの帯留め、半襟は“菊”の刺繍襟。
遊び心を感じる着姿で、着物における粋を堪能させていただきました。

この時期になると、お客さまから着物の防寒について聞かれることが度々あります。
いつもおすすめしているのは、足元を温めること。
冬用の足袋としては、昔ながらの別珍、今はマイクロフリース素材や二重のネル素材などもあります。
ちゃんとコハゼもついているので、あったかながら見た目もすっきり。
足袋の中に履く長めのインナーを防寒素材のものにすれば、足元の冷え対策は盤石です。
最近は、着物用の下着も、ヒートテックのような防寒素材のものが充実しています。
冬の着物は寒くて……という方、一度、下着を見直してみてはいかがでしょうか。

先日、お客さまから「このごろ五十肩なのか、手が上がらず、帯を結ぶのがしんどいのよ」とご相談を受けました。
五十肩はだいたい40代~60代の方に見られ、20代、30代で発症することも珍しくはないそうです。
肩こりや首の寝違えと思いきや、実は五十肩という診断を受けるケースが多いとか。
単なる肩こりや首の痛みとの違いは、痛みで腕の動きが制限されるかどうか。
個人差はあるものの、半年~一年くらいで自然に治っていきます。
帯に関しては、前結びや作り帯などにするという解決方法もあります。
けれど一番の解決方法は、やっぱり運動して予防すること。五十肩になってからも、ストレッチをすることで改善します。
五十肩に大きく関係する肩甲骨周りには、褐色脂肪細胞がたくさんあります。
褐色脂肪細胞とは、脂肪を燃焼してくれる細胞のこと。
つまりここを適度に刺激しておくと、脂肪を燃焼しやすい身体になり、ダイエットになるのです! 
また、肩甲骨周りの筋肉は、着物を着たときのシルエットに大きく影響します。
着姿にすっきりとこなれた感が出せますよ。
肩甲骨のストレッチはいろいろありますが、スポーツインストラクターの友人に聞いたところ、日常生活に取り入れやすいのは、肘を後に引きながら歩くこととか。
肘を曲げて後に引くと、肩甲骨の可動域がぐんと広がります。
毎日短い時間でも、意識的に肘を前後に振りながらウォーキングをする。
雨の日は家の中で足踏みをするだけでも効果的だそうですよ。
五十肩の予防、脂肪燃焼(!)と美しい着姿のために、ぜひ肩甲骨を動かしましょう!

映画『日日是好日』を観てきました。
二十歳でお茶を習い始めた女性が、人生のさまざまな出来事を経験し、成長していく姿を描いた物語です。
主人公の典子役を『西郷どん』での熱演が記憶に新しい黒木華さんが、樹木希林さんがその先生の武田先生役を演じています。
畳のヘリを踏まない、お菓子は先にいただく、などの茶道の初心者あるあるから始まり、季節の移ろいを感じつつ、典子は二十年以上、教室に通うことになります。
お点前はもちろんですが、登場人物の着物も注目すべきポイントでした。
はじめは洋服でお点前をしていた典子は、やがて初々しい小紋を着るようになり、やがて落ち着きのある色無地姿へ。
一方で武田先生は、歳を重ねて体型や姿勢が変わるにつれ、余った着物の着付け方が微妙に変わってくるのです。
希林さんは着物を自由に着る方でしたが、お茶の先生としてのフォーマルな着姿でも、肩の力の抜けた彼女らしさは健在。
わたしにとっては、希林さんの着物へのこだわりが感じられる素敵な作品でした。
特別試写会は、“KIMONO de CINEMA”と銘打ち、明治記念館で行われました。
出席者のドレスコードは着物。大勢の着物姿の女性たちが、映画とお点前を楽しみました。
このイベントの発案者は、着物好きだった樹木希林さん。
ご本人も出席するのを楽しみにしていたそうですが、残念ながら、イベントの二週間前にお亡くなりになっています。
以前、希林さんがインタビューでお話しされていました。
「自分が長く続けていけること。趣味っていうのかな。無理なく自分が自然でいられる場所っていうのは、作っておくといいですよ」。
映画の中で、典子は、失恋、就活、親の死などに直面し、もがき苦しみます。
やがてそれを乗り越えた先のお茶席では、静かな心で、素の自分と向き合うことができるのです。
長く、無理なく続けていく。着物とのおつきあいも、かくありたいものだと思いました。

例年のことながら、毎年一年あっという間に過ぎてゆきます。
そんな中、今年も着物、並びに紀久屋と関わってくださった全ての方へ、感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
このサイトが開設されたのと同時に、このブログも始まりました。至らないところも多く、読みにくかったり、言葉がなっていなかったりとあるとは思いますが、それでも沢山に方に読んでいただいていること、とても嬉しく思います。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

みなさまにとって、新しい時代が希望と笑顔に満ち溢れた時代となりますように。
どうぞみなさま、よいお年をお迎えくださいませ。