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無料きもの着付教室|岡山・倉敷・津山・四万十市・高知の着物専門店、紀久屋

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紀久屋スタッフブログ

季節の分け目
2019年02月03日
今日は節分。
豆まきをしたり、恵方巻きを食べたりされましたか?

豆まきといえば、自分が子供の頃、父親が鬼のお面をかぶって鬼になってくれたところに、一生懸命豆を投げていたことがとても懐かしいです。
父が鬼役に徹してくれていたからでしょうね、とても楽しかったのを今でも覚えています。

私の家では節分の日は必ず恵方巻きをいただいて、食後に豆まきをしていましたが、皆さんはどうでしたか?

そんな恵方巻き、そもそもなぜ食べるようになったのでしょうか?
今日はその由来を少しご紹介。

恵方巻きについて、諸説ありますが、江戸時代から明治時代にかけての大阪の花街で節分をお祝いしたり、商売繁盛を祈ったりしたのに始まったといわれています。
花街で商人や芸子たちが節分に芸遊びをしながら商売繁盛を祈り、そして厄払いの意味も込めて、節分の日の夜に巻き寿司を丸ごと食べる…これがはじまりで、
その頃は恵方巻きという名前ではなく「丸かぶり寿司」や「太巻き寿司」と呼ばれることが多かったようです。
“太巻き”と呼ばれるのは、七福にちなんで7つの具を入れて巻くため、文字通り一本が太くなるから。
最近スーパーで並ぶ恵方巻きは、エビやサーモンなどがはいった海鮮巻きやエビフライ巻き、トンカツ巻き、サラダ巻き…などいろいろな種類がありますが、
基本は「穴子•玉子焼き•椎茸•かんぴょう•きゅうり•高野豆腐•桜でんぶ」の7種類を入れたもの。
ついつい自分の好きなものが入っているものを選んでしまいそうになりますが、具の種類の数にも意味があるのなら、きちんと太巻きをいただかなければなという気持ちになりますね。

昭和初期頃には人々から「節分の丸かぶり寿司」と呼ばれるようになりさらに広まっていきますが、
全国的に恵方巻きが広まった決定的なきっかけは、1998年(平成10年)に大手コンビニエンスストアのセブンイレブンが「丸かぶり寿司 恵方巻」と称して太巻きを全国エリアで販売したこと。
巻きずし一本をガブっと丸かぶりするというのが全国的にもインパクトを与えて大ヒットしました。
それまで、他のコンビニでも販売はされていましたが、大阪をはじめとする関西圏のみの販売が多く、この全国展開が本当に大きなきっかけとなったようです。

私の家では昔から食べていたので、思ったよりも最近の出来事であることに驚きました。

もう一つ、私が気になって仕方がないのは恵方巻きを食べる時の方角。
2019年、今年の恵方は「東北東」。
この方角は一体どうやって決まっているのか、気になりませんか?

そもそも、恵方とは歳徳神(としとくじん)という神様のいる場所を指します。
歳徳神はその年の福徳(金運や幸せ)を司る神様で、その神様がいらっしゃる場所は毎年変わります。
そして、その方角に向かって、いろいろな事を行うと良いと言われており、
かつては節分の恵方巻きを食べるときだけではなく、初詣も恵方の方向の神社に参ったり、初めての事を行うときは恵方を向かって行っていたそうです。

では、どうやってその神様のいる方角を決めるのかというと、
それには、古代中国で年や日付•空間•方角•数字などを表す10つの要素「十干(じっかん)」を使います。
もともと、十干には決められた方角や数字がありそれによって恵方が決まるのです。
わかりやすく今年の恵方を知ろうと思えば、その年の西暦の下一桁の数字を見ればわかります。

「北北西」…西暦の下一桁が「2•7」
「東北東」…西暦の下一桁が「4•9」
「南南東」…西暦の下一桁が「1•3•6•8」
「西南西」…西暦の下一桁が「0•5」
となるそうです。

そう、なんと恵方は4方向しかないのです!
私もこれを調べて知った時はびっくりしました。
勝手に全方角が順番に回ってくると思っていたので…。
思い返せば、確かに「北」とか「南」って聞いたことないですよね。

やっぱり、由来を知ると発見もたくさんあるものだなと改めて感じました。

最近では、恵方巻きというと“大量破棄”の方が話題になっています。
願いをこめた習慣やしきたりは、いつの間にかイベント、盛り上げるためのツールとして扱われてしまい、
またそんなニュースから、それを行う人も少なくなってしまう…そういう連鎖が起きてしまうことは本当に悲しいことです。

せめて物事の始まりや、その意味を知ることができたら気持ちも変わるのではないかなと思います。

着物を伝え残していくように、こういう日本の文化やしきたりにも、しっかりと目を向けることを忘れずにいたいですね。