紀久屋スタッフブログ
2018年11月04日
秋が深まり、気持ちのよい青空が広がる日が多くなってきましたね。
澄んだ空気に誘われて近所を散歩していたら、赤紫色をした、卵くらいの大きさの実が生っている木を見つけました。
ひとつ拝借し、 家に帰って調べてみると、『ムベ』というアケビの一種。
不老長寿の果実としての伝説があり、毎年10月末には、近江八幡市産のムベが皇室に献上されているそうです。
アケビは熟すると自然に実が割れますが、ムベは割れません。
手で割ると、たくさんの黒い種をゼリー状の果肉が覆っています。優しい甘さが口中に広がりました。
少しでも不老長寿にあやかれたらいいなあ。先だっての台風での塩害の影響で、今年は紅葉が期待できないところもあるとか。
秋には美しい彩りがあって当たり前と思っていたので、改めて自然の恵みをありがたく感じました。
皇室といえば、先日、明治神宮で結婚式を行われた高円宮絢子さま。
平安朝の装束、そしておすべらかし姿がとても素敵でした。
「何と幸せなことかとかみしめています」というコメントも微笑ましく思えました。
式場へ向かう際にお召しになっていた袿袴(けいこ)は、三笠宮家からお借りしたもの。
挙式でお召しになっていたお引きずりののは、小袿長袴(こうちぎながばかま)といって、大正天皇のお后、貞明皇后ゆかりのもの。
姉の千家典子さんも結婚式でお召しになったそうです。
皇族内でも、こうして衣裳を代々大切に受け継いでいくものなのですね。
このように十二単や束帯などの装束を着付ける方法を伝えることを、衣紋道(えもんどう)というのだそうです。
テレビのニュースで見かけるものに限らず、皇室で行われている伝統の祭儀は、この衣紋道に携わる方々によって支えられているのです。
わたしたちが日ごろ着ている着物よりも、もっともっと昔に着られていた伝統的装束を受け継ぎ、後世に伝える役目を持った人たちがいらっしゃる。
そう思うと、着物に携わる身として、本当に心強い気がしました。
冷え込む日も多くなってきたけれど、もっと寒い時期のために、コートはまだ着ずにすませたい。
こんな時期に重宝するのが羽織。
もともと男性が着るものでしたが、江戸時代に深川の芸者さんが着はじめたと言われています。
粋なおしゃれ着アイテムとしても、着こなしの幅が広がります(お茶席など格の高い場では避けましょう)。
羽織は、洋服でいうところのカーディガンやジャケットです。だから、コートとは違い、室内で着たままでも問題ありません。
わたしは母や祖母から譲り受けた着物を着るとき、羽織を合わせることが多いです。
いただいた着物は、派手な色だったり、逆に地味すぎるものもあるので、羽織でバランスをとるのです。
地味な色味の着物には、あざやかな羽織。
今の自分には少し若いかなと思うくらいの色柄の着物でも、落ち着いた色合いの羽織を合わせると、しっくりきます。
気をつけたいのは羽織の丈。好き好きではありますが、長すぎたり短すぎるのは野暮ったく見えてしまいます。
裾をひざの裏に合わせた長羽織は、歩いたときに裾が広がらず、すっきりしたシルエットになります(実は羽織は、腰回りのボリュームを隠すのにもお役立ちアイテムなのです!)。
羽織の間から、着物、帯揚、帯締、羽織紐が見えることになるので、色合わせには気を配りましょう。
羽織紐は、両サイドにS字フックがついたものが便利。組紐タイプばかりではなく、アクセサリー感覚で、ビーズやトンボ玉でお好みのものを作るのも楽しいものです。
長羽織を誂えるときは、ぜひ余り布で利休バッグを作っておいてくださいね。
東京オリンピックまで2年をきりました。
昭和39年の東京オリンピックでは、日本を訪れた世界各国の人々から、
「日本の民族衣裳は着物だと思っていたのに、着物姿をほとんど見かけない」との声を受け、11月15日が『きものの日』と制定されたそうです。
今回は、開催に合わせ、日本全国の着物作家が世界206カ国をイメージした着物と帯を制作するというプロジェクトが進行しています。
「世界は、きっとひとつになれる」をキーワードに、世界の平和と繁栄に貢献することを目的とした、
イマジン・ワールドという団体による『KIMONO PROJECT』です。
福岡の老舗呉服店が中心となり、外務省、経済産業省、各国大使館をはじめ、多くの人の協力でスタートしました。
フランスにはトリコロールの帯揚に国花のユリ、 音楽の国ドイツは音符とピアノの鍵盤、 エジプトはパピルス、インドネシアはバティック風、
ペルーはナスカの地上絵……と、各国の文化、歴史、自然などの特長が振袖をキャンバスに生き生きと描かれています。
現在100カ国の着物が完成し、106カ国のものが制作中だとか。
すべての着物が揃って、モデルさんたちが手を取り合うシーンを想像するとワクワクしますね。
着物のこと、着付けのことでご相談がありましたら、お気軽に。
固定電話の方 0120-5298-58
携帯電話の方 岡山店:086-232-7766
倉敷店:086-422-2100
津山店:0868-32-5298
四万十店:0880-31-2150 からご予約いただけます。
(定休日/火曜日 営業時間/10:00~19:00)
澄んだ空気に誘われて近所を散歩していたら、赤紫色をした、卵くらいの大きさの実が生っている木を見つけました。
ひとつ拝借し、 家に帰って調べてみると、『ムベ』というアケビの一種。
不老長寿の果実としての伝説があり、毎年10月末には、近江八幡市産のムベが皇室に献上されているそうです。
アケビは熟すると自然に実が割れますが、ムベは割れません。
手で割ると、たくさんの黒い種をゼリー状の果肉が覆っています。優しい甘さが口中に広がりました。
少しでも不老長寿にあやかれたらいいなあ。先だっての台風での塩害の影響で、今年は紅葉が期待できないところもあるとか。
秋には美しい彩りがあって当たり前と思っていたので、改めて自然の恵みをありがたく感じました。
皇室といえば、先日、明治神宮で結婚式を行われた高円宮絢子さま。
平安朝の装束、そしておすべらかし姿がとても素敵でした。
「何と幸せなことかとかみしめています」というコメントも微笑ましく思えました。
式場へ向かう際にお召しになっていた袿袴(けいこ)は、三笠宮家からお借りしたもの。
挙式でお召しになっていたお引きずりののは、小袿長袴(こうちぎながばかま)といって、大正天皇のお后、貞明皇后ゆかりのもの。
姉の千家典子さんも結婚式でお召しになったそうです。
皇族内でも、こうして衣裳を代々大切に受け継いでいくものなのですね。
このように十二単や束帯などの装束を着付ける方法を伝えることを、衣紋道(えもんどう)というのだそうです。
テレビのニュースで見かけるものに限らず、皇室で行われている伝統の祭儀は、この衣紋道に携わる方々によって支えられているのです。
わたしたちが日ごろ着ている着物よりも、もっともっと昔に着られていた伝統的装束を受け継ぎ、後世に伝える役目を持った人たちがいらっしゃる。
そう思うと、着物に携わる身として、本当に心強い気がしました。
冷え込む日も多くなってきたけれど、もっと寒い時期のために、コートはまだ着ずにすませたい。
こんな時期に重宝するのが羽織。
もともと男性が着るものでしたが、江戸時代に深川の芸者さんが着はじめたと言われています。
粋なおしゃれ着アイテムとしても、着こなしの幅が広がります(お茶席など格の高い場では避けましょう)。
羽織は、洋服でいうところのカーディガンやジャケットです。だから、コートとは違い、室内で着たままでも問題ありません。
わたしは母や祖母から譲り受けた着物を着るとき、羽織を合わせることが多いです。
いただいた着物は、派手な色だったり、逆に地味すぎるものもあるので、羽織でバランスをとるのです。
地味な色味の着物には、あざやかな羽織。
今の自分には少し若いかなと思うくらいの色柄の着物でも、落ち着いた色合いの羽織を合わせると、しっくりきます。
気をつけたいのは羽織の丈。好き好きではありますが、長すぎたり短すぎるのは野暮ったく見えてしまいます。
裾をひざの裏に合わせた長羽織は、歩いたときに裾が広がらず、すっきりしたシルエットになります(実は羽織は、腰回りのボリュームを隠すのにもお役立ちアイテムなのです!)。
羽織の間から、着物、帯揚、帯締、羽織紐が見えることになるので、色合わせには気を配りましょう。
羽織紐は、両サイドにS字フックがついたものが便利。組紐タイプばかりではなく、アクセサリー感覚で、ビーズやトンボ玉でお好みのものを作るのも楽しいものです。
長羽織を誂えるときは、ぜひ余り布で利休バッグを作っておいてくださいね。
東京オリンピックまで2年をきりました。
昭和39年の東京オリンピックでは、日本を訪れた世界各国の人々から、
「日本の民族衣裳は着物だと思っていたのに、着物姿をほとんど見かけない」との声を受け、11月15日が『きものの日』と制定されたそうです。
今回は、開催に合わせ、日本全国の着物作家が世界206カ国をイメージした着物と帯を制作するというプロジェクトが進行しています。
「世界は、きっとひとつになれる」をキーワードに、世界の平和と繁栄に貢献することを目的とした、
イマジン・ワールドという団体による『KIMONO PROJECT』です。
福岡の老舗呉服店が中心となり、外務省、経済産業省、各国大使館をはじめ、多くの人の協力でスタートしました。
フランスにはトリコロールの帯揚に国花のユリ、 音楽の国ドイツは音符とピアノの鍵盤、 エジプトはパピルス、インドネシアはバティック風、
ペルーはナスカの地上絵……と、各国の文化、歴史、自然などの特長が振袖をキャンバスに生き生きと描かれています。
現在100カ国の着物が完成し、106カ国のものが制作中だとか。
すべての着物が揃って、モデルさんたちが手を取り合うシーンを想像するとワクワクしますね。
着物のこと、着付けのことでご相談がありましたら、お気軽に。
固定電話の方 0120-5298-58
携帯電話の方 岡山店:086-232-7766
倉敷店:086-422-2100
津山店:0868-32-5298
四万十店:0880-31-2150 からご予約いただけます。
(定休日/火曜日 営業時間/10:00~19:00)